
藤原正彦さんは「○○の品格」と言う題名の本のブームを作った最初の本
「国家の品格」を書いた数学者です。
勿論「国家の品格」も以前読みました。
この方、作家の新田次郎さんの二男なのですが
私はそれより何より
「流れる星は生きている」という本を書いた
藤原ていさんの息子さんという方に親しみを感じていました。
まだ私が独身だったころに
この「流れる星は生きている」という本を読んで泣いた記憶があります。
先の大戦の終わるときに
女ひとりで乳飲み子を含む3人の子供を引き連れて
満州から38度線を越えて日本まで
地獄のような中を引き上げてきたときのお話です。
私は新田次郎さんの小説は読んだことはありませんが
山岳小説という部類に入る作品が多いらしいのです。
映画では「八甲田山死の彷徨」を見たことがあります。
それで数学者でありながら正彦さんの文章はとってもわかりやすく
面白いので「若き数学者のアメリカ」などの
エッセイも読んだことがあります。
写真の「ヒコベエ」は友人が面白いと奨めてくれたので
読んでみました。
正彦さんの自伝的小説ですがなかなか面白かったです。
ここに、作家になりたくて
必至に書いても作品が出版されない夫と
普通の主婦であり妻が遺言のつもりで書いた本
「流れる・・・」が一大センセーションを巻き起こして
妻が時の人になっていったときの
夫婦の確執などが書かれていて興味深く読みました。
それと時を同じくして
今度は正彦さんの奥様、藤原美子さんのエッセイ「夫の悪夢」
があったのでこれも読んでみました。
そこには年老いてからの藤原ていさんの姿やありよう
また義父である新田次郎氏のことなど
家族のさまざまな様子が軽妙に描いてあって
これもまた興味深かった本でした。
一家の様子から昭和の歴史が見えてくる・・・そんな本たちでした。