![]() 2011.08.27 Saturday
ダッシュ村
もう10年以上前から日曜夜7時は
「鉄腕ダッシュ」を見て来ました。 山羊のヤギハシ君を連れて ある山里に入植したTOKIOの5人達は 近くに住む三瓶明雄さんたちの助けを得て 荒れ放題だった土地を開墾し 廃屋を修理して昔ながらの日本の農村の暮らしを展開して行きました。 何も無かった所にみんなで楽しく苦労して 汗を流して次々と生活できる場を作り 食べ物を得る作業をしていくのを テレビの前で見ている私も 一緒になってやっているような そんな気持ちでした。 疑似体験だと言ってしまえばそれだけでのことですが 現実生活は殆どの物が 出来上がった状態でしか手元に来ない現在は それが本当はどうやって作られているのか?を 知るのはとても楽しいことでした。 工場で生産されるようになるよりずっと昔は みんなこうやって人の手で長い時間と労力をかけて 作られていたのだと知ることは 驚きであり楽しみでもありました。 近所に住む大勢の農家の方達は 普通の一般の方々ですが それぞれに素晴らしい智恵と知識と技をもつ方達で お米や野菜づくりは勿論のこと 漬物名人、味噌作り名人、梅干し作り名人 炭焼き名人、いとつむぎ、機織名人 大工仕事や屋根葺きやレンガつくり焼き物作り名人などなど・・・ あらゆる生活用品を作る名人たちでした。 そのダッシュ村が3.11の原発事故による 計画避難区域に入ってしまい 足を踏み入れることさえできなくなってしまいました。 同じ地区に住んでらっしゃる大勢の方々は それぞれちりじりに避難して行きました。 暫くして番組はその方達を集めて 1軒の温泉宿で再会を果たす場面を放映しましたが その時の皆さんの姿に私は涙がこぼれました。 私の知り合いでも何もありませんが あのときあんなに生き生きと自分達の力で生きていた人たちが ある日突然自分の根っこから引き抜かれた植物のように 寄る辺なく、悲しい表情に見えたからです。 しかし暫くぶりの再会で みなさんとっても嬉しそうに抱き合って 無事を確かめ合っていましたが いくら住むところを確保できたからといって これまで当然のように毎日してきた仕事がなくなって 何もすることがない日々は本当にむなしいように思えました。 このことはダッシュ村だけのことではなくて いつの時も災害に遭われた人たちには 等しく襲ってきたことではありますが 人間はただ食べて着て住んでいれば それでいいわけではないのです。 働くということ 自分のため人のために 自分の持てるものを役立てることが 人が生きる力の源だと痛感したのです。 長い間受け継がれてきた 日本の農村の文化がここでぷっつりと切れてはいけない そう感じました。 何の変哲もない一般の人、 一人ひとりが持つ智恵や技術は 素晴らしく大切なものなのだと思いました。 地震や津波は天災であり 全てを防ぐことはできないでしょう。 でも原発事故!! これはいけません!! もう二度とあってはいけないことです!! これで終わりにしなくていけません!! ![]() |