
観て来ました。
穴場である小さな映画館を狙って、朝電話したら
「日中は常に超満員なので、夜でしたら入れます」という返事。
今ちょっと事情があって、夫が不在なので
普段はできないことですが、グッドタイミング♪
6:40始まりで観て来ました。
まわりは殆ど子どもとママ達。
でも中にぽつぽつと会社帰りらしきネクタイ姿の男性が一人で・・・というケースもあって、50歳過ぎたおばさん一人で観に行ってるのも
そんなに肩身がせまいわけではありませんでした。
感想はですね〜〜〜・・・なんと言ったらいいのか・・・
一言で言えば、「私は好きです」
帰りのメールやりとりで、友人のお嬢さん二人は
「宮崎さん、なんか自分の世界に行っちゃったって感じだよね」と
おっしゃったとか。
この表現は図星だと思います。
ネット上での感想を幾つか読んでみたのですが
「全く無害のこども向きアニメ」という評が多数のようです。
が、宮崎ファンとして長く作品を見てきた人に感想の中には
これまでの作品とは全く一線を画してしまった・・・と書いてありました。
現実世界(社会的要素)とファンタジーの世界の比率が
これまでと逆転している・・・というのです。
これ、当たってると私も思います。
私はまず、このポニョというキャラクターが物凄く可愛い。
テレビのCMの場面に頻繁にでてくる
波の上を疾走して「宗介んとこ行け〜〜〜!!」って
叫んでるあの姿を目にしただけでなぜか胸がキューンっとなってしまいます。
「人面魚」なんだか「半魚人」なんだかわからないし
金魚(淡水魚)なんだか海の魚なんだかもわからない。
それがだんだん人間になっていく様子も私は凄く可愛いと感じます。
それともうひとつは「千と千尋」や「ハウル」のときもでてきた
「水の風景」
これがいいようもないくらい心地よい。
つなみの場面は怖いですけど
朝起きてみたら、床の下あたりまで全てが海になってて
しかもその水が透明で、魚が泳いでいるって
普通だったらとてつもなく怖い状況なのに
それが、なぜか懐かしい。
「千と千尋」のときも、ヒタヒタと足元をぬらす水の中を
歩いて駅まで行く時の風景が
心がかきむしられる程懐かしかった。
あんな風景、現実に見たことがあるわけないのに
そのどこまでも澄み切った水と空の風景に身を委ねたい!!って
感じるのはなぜなのか?
宮崎駿さん、この人はだんだん異界に住んでる時間が長くなってきているんじゃないかな・・・って、思いました。
それと、宗介が両親のことを
「リサ」「コウスケ」と呼ぶのです。
これにはやっぱり物凄く違和感があって
なぜに、「ママ」とか「お父さん」とか言わないのか?
でも、理由もなくそう設定している訳はないと思うので
考えてみると、
ファンタジーの世界で「名前」というのは
物凄く大切な役割を負っているんですね。
本当はファンタジーの世界で、だけじゃなくて
この世界も全て「名前」がある、「名づけられる」ことが
イコール存在すること、と言えるわけですから
安易に全ての人を代名詞で呼ぶ事が主である
今の日本社会に対する提言なのかな?とか
穿って考えたりもしました。
まだ、まだ、色々考えるべきことがあるような映画でした。
そして、やっぱり、私はもう一度みたいですね
この作品。