小径あるけば | 四時の悪魔

2007.03.12 Monday

四時の悪魔

今日、突然この言葉を思い出しました。
これ映画の題名です。
むか～しのイギリス映画で、私が大好きだったスペンサー・トレイシーという俳優さんが主演でした。

火山の小さな島に住む神父さんの役がスペンサー・トレイシーで
この島がもうじき火山の爆発で全滅してしまうとわかって
島民を非難させ始めるんですけど
全員非難するには時間が足りなくて
ずっとそのために奮闘してきたその神父さんは
今島に帰ったら自分も助からないと解っていながら
島に戻って行く、というストーリーでした。

「四時の悪魔」とは、四時にそこに行ったら悪魔がいると
わかっていても、行かねばならなかったら行く事ができるか・・・
という意味だったと思います。

キリスト教圏の西欧ではこういう話がとっても多いですが
初めてこれを見たのが小学生だったと記憶しているのですが
とっても感動したことを覚えています。

小学生のときに春、夏、冬と長期の休みになると
テレビで夕方に毎日１本、古いモノクロの映画をやっていました。
私と姉とで殆ど毎日これを見ていました。
「野ばら」「穢れなき悪戯」「征服の処女」「ジャンヌ・ダルク」
などを繰り返し繰り返しやってて、
何回みたかわからないくらいですが
この「四時の悪魔」と同じスペンサー・トレイシーの
「ジキルとハイド」もありましたね。

もう何十年も前のことですけど
今、みたらあの頃と同じように感動できるでしょうか？
きっと、退屈だ・・・とか思ってしまうでしょうね。
現在がそれほど刺激に満ちた世界になってしまっているから。

| komichi | - | 19:19 | comments(4) | - |

　　　恋成れり四時には四時の汽車が出る　新子
先日亡くなった川柳作家、時実新子さんの昔の作品です。

この「四時の悪魔」にしても「四時の汽車」にしても、
他のどの○時より四時がしっくりきます。
確かに四時には、九時や十時にはない緊迫感がある。

ふたつとも、四時という当たり前の言葉を、
詩的に立ち上がらせたのでしょうが、
そもそも四時そのものが、
詩的要素を持っているのかもしれません。

勿論、それを発見して、
作品化した技量も凄いけれど。

| すま猫 | 2007/03/13 4:52 PM |

すま猫さん＞なぜ「四時」なのか深く考えなかったけど
そう言われて見れば、「四時」以外ないですよね。

夜中の「丑三つ時」である２時はいかにもそれらしすぎて
嘘っぽいですし。

「四時」って「おう魔が時」っていうのと同じ時刻かしら？
「黄昏」って言ったら聞えがいいけど
「誰そ彼？」というくらい相手がよく見えない
暮れなずむ時刻ですよね。これも同じ頃かしらね？
もしそうだとしたら、洋の東西を問わず
悪魔にあうのは四時なんですね。

九時や十時にない緊迫感、この辺にあるのでしょうかしら？

| 小径 | 2007/03/13 8:13 PM |

逢魔が時（おうまがどき）とは、
夕暮れの薄暗くなった時分のことを指しますが、
何時であるかは、季節によって違ってきそうですね。

ちなみにこの言葉は、
大禍時（おおまがどき、禍いの起こる時刻）から
来ているようです。

新子さんの「四時の汽車」は、
私はずうっと午前四時だと思っていたのですが、
「四時の悪魔」は最初は午後四時かなと。
でも悪魔がいるぐらいだから、
やっぱり午前四時なのかしら。

ま、いずれにしても、四時という時間にも言葉にも、
確かに緊迫感がありますね。

| すま猫 | 2007/03/14 3:59 PM |

すま猫さん＞私は午前四時は全く考えませんでした。
新子さんのも「四時の悪魔」も。

どちらも日暮れ時だと頭っから思ってました。

午前四時だと、清清しくありません？
これから夜が明けて太陽が昇るんですから。
午後四時はこれから暮れてい行く、
これから闇が来るんです。

新子さんの川柳も午前四時だと
「さあ！新しいところに出発だ！」みたいに
私は感じてしまうけど
午後四時だとこれから闇に向かうどろどろとした恋に感じます。「行くところまで行ってしまえ！」みたいなね。
渡辺淳一のこの前の映画みたいに。
題名忘れた(>_<)
豊悦と寺島しのぶの・・・なんだったかしら？

思い出したらまた書きます。

川柳のこと全く知らないので、私のかってな解釈で
まちがってたらすみませんm( _ _ )m

| 小径 | 2007/03/15 6:17 PM |

コメントする